
今回は、以前から気になっていたソフトバンクグループについて考察します!
目次
ソフトバンクグループとは
ソフトバンクグループの基本情報はこちらです。
ソフトバンクグループは、wikipediaによると、「情報・通信業」に括られていますが、これからを考えると「投資ファンド」と捉えたほうがしっくりきます。
ソフトバンク・ビジョンド・ファンド(SVF)
ソフトバンクグループは、2017年サウジアラビア政府系の投資ファンドと10兆円規模の投資ファンドを立ち上げます。
その名も、「ソフトバンク・ビジョンド・ファンド(SVF)」。
ソフトバンクグループを語る上で、このファンドの存在は欠かせないものといえ、このファンドの成否如何によって、ソフトバンクグループの株価は左右されると言えます。
ARM
また、ソフトバンクグループは「ARM」というイギリスの電気機器企業を買収し、100%子会社としています。
ARM社は、電子機器のCPUの設計図を作成し、ライセンス販売する企業です。
複数の部品で機能させていたシステムを1つのチップにまとめることで、省電力かつ機器の占有面積を減らす、SoC(Sysytem on Chip)という分野に特化した企業です。
ARMは、この分野で独占的地位を有します。
ARMのプロセッサは省電力、高処理能力、独自の機能拡張性を有しているため、Appleを始めとした大口の顧客を獲得できています。
ただ、最近はライセンス収入が伸び悩んでいるようで、Iot(モノのインターネット)分野に進出しています。
この子会社も、ソフトバンクグループにとっては重要な企業になります。
いずれ、分析をしてみたいと思います。
ソフトバンクグループ 財務分析
それでは、財務分析に移ります。
ソフトバンクグループ 売上高/営業利益/当期純利益
2017年、2018年にかけて、営業利益、営業利益率が伸びています。
この要因は「SVF」が順調であることにあります。
凄まじい伸びですね。
これを見ると、ソフトバンクグループが「投資ファンド」と感じてしまうんですよね。
他の事業は現状維持で、投資事業で荒稼ぎをする。
他の事業を伸ばすより、投資収益で稼ぐほうが効率が段違い。
2019年3月期決算での、孫さんのプレゼンテーションも大半は「SVF」の説明でした。
孫さん自身も、投資家も、マスコミも「SVF」の成否に注視しています。
ソフトバンクグループ キャッシュ・フロー
フリーキャッシュフローがマイナスです。
投資キャッシュフローが大きいためですね。
2018年は、固定資産の購入に1.3兆円、SVFへの出資が1.5兆円ほどに上ります。
普通の企業であれば、財務的に問題があるといえます。
ただ、保有株式価値が27兆円ありますので、そことの対比で見れば、直ちに問題はないと思います。
ソフトバンクグループ EPS/DPS
事業投資に資金を回していますので、配当は期待しないほうがいいでしょう。
「2019年は配当を2倍にする」と孫さんは強調していましたけど、配当より事業投資に回してほしいかなと個人的には思います。
ソフトバンクグループに投資する方は、キャピタルゲイン目当てでしょうからね。
ソフトバンクグループに投資をすべきか
本題です。
ソフトバンクグループに投資をすべきか検討します。
ソフトバンクグループの投資案件
孫さんの狙いがこの図に表れています。
孫さんは「AI革命」を確信し、「AI革命」を引き起こすユニコーン企業に積極投資しています。
医療、車載、中古車、不動産など、全てのセクターをAIが革新する、孫さんはそう信じています。
私も、全く持ってその通りだと思います。
以前「浮気性発動!?他の銘柄を除いてみる!」という記事で書きましたが、私はAIの脅威を感じると同時に、AIの魅力を強く感じています。
AIを活用する事業への投資は、10年後に確実に実っているのではないかと感じています。
そうであれば、ソフトバンクグループに投資をすれば、AI革命の恩恵を受けれるため、投資対象としては魅力的だと思います。
ソフトバンクグループの投資成績
「SBGの株主価値は、ユニコーンと共に駆け上がっている」といった事を説明した図です。
ソフトバンクグループの投資は、確実に実っています。
孫さんの投資は、確実に実っています。
私は、「バリュー投資」を「企業価値の適正な評価で儲ける投資法」だと思っています。
企業本来の事業価値と財産価値を見積もり、市場の評価が追い付いていない間に投資し、評価の見直しが起こった段階で売る。
そうやって、収益を上げる投資方法だと思っています。
上記図を見て、孫さんは企業価値を見抜く目と、市場の評価が追い付く前に投資をする勇気を持っている方だと思いました。
憧れますね。
こんな方であれば、自分の資産をぜひ預けてみたいです。
ソフトバンクグループに対する懸念
これは、ソフトバンクグループに対するというより、ソフトバンクグループが属している国に対する懸念と言ったほうがいいかも知れません。
そう「日本」に対する懸念です。
私は、株式投資においては、その企業自身の経営状況だけでなく、企業が属する環境が重要な要素になると思っています。
日本は、少子高齢化、他国との競争力の低下を背景に、経済規模が伸び悩むと思います。
経済規模が伸び悩むと、株価も伸び悩むと思います。
日本の株式市場が伸び悩むなか、ソフトバンクグループの株価だけが伸び続けるイメージが湧かないのです
SVFの投資が実り、何十兆円という含み益をもたらしたとしても、それが株価に適切に跳ね返るイメージが湧きません。
「バリュー投資」は、割安な値段で仕込むことが重要な要素ですが、それと同じくらい、市場が企業価値を適切に評価するまでの期間の長さも重要な要素です。
ソフトバンクグループの企業価値に対する、適切な評価がなされるまでの時間は、とても長い気がするんです。
そういった点が、私の中の懸念点です。
では、ソフトバンクグループに投資をするか
投資は、いずれします。
ただし、日本の株式市場が暴落する、あるいは日本の株式市場に対する疑義が払拭された段階で投資をしようと思います。
もしかしたら、消費増税に伴う景気後退、オリンピック不景気、世界同時不況が重なるのでは、と思っていますので、再来年の頭くらいに投資をするかもしません。
いずれにせよ、とても魅力的な銘柄、とても魅力的な経営者(投資家)ですので、どこかでお付き合いを申し込みます。
ソフトバンクグループ まとめ
ソフトバンクグループは、世界時価総額ランキング上位に名を連ねる、数少ない日本企業になると思います。
そうした企業を応援したい気持ちもあります。
福岡ソフトバンクホークスを所有し、福岡に縁がある孫さんを応援したい気持ちもあります。
そうした面も含めて、注目していきたいと思います。