
今回は、スポーツブランドの雄であるナイキについて分析してみます!
目次
【NKE】ナイキ 基本情報
ナイキの社名の由来は、ギリシャ神話の勝利の女神「ニーケー(Nike)」から来ているそうです。
靴、バック、衣服など、その商品は多岐にわたります。
ナイキは、今やファッションブランドのようなイメージもありますが、私はやはりスポーツシューズメーカーというイメージをもっています。
シューズが売上の6割超を占めます。
私のランニングシューズは白のナイキのシューズを使っているんですが、単純にカッコイイんですよね。
スポーツにファッションを融合させたところに、ナイキのブランド力があると思います。
マイケル・ジョーダンとのタイアップ商品「エア・ジョーダン」や「エア・マックス」シリーズが同社の人気に火をつけたようです。
2003年にコンバースを買収しています。
【NKE】ナイキ 財務分析
それでは、財務分析に移ります。
【NKE】ナイキ 売上高/営業利益/当期純利益
売上高はきれいな右肩上がりですが、営業利益、純利益は伸びていません。
賃金やマーケティング費の高騰が影響しているようです。
とはいうものの、営業利益率が12%以上もあるのは、この業種からして高いのではないでしょうか。
例えば、アンダーアーマーはここ数年10%未満なので、開発、製造、販売を含めた上での、この営業利益率は高いと思います。
2020年度のQ1でも増収増益を達成しています。
中国市場がけん引したようです。
中国での前年比売上高は22%上昇しています。
中国で作って中国で売っていますので、貿易戦争もどこ吹く風だったようです。
また、オンラインストアも好調のようです。
下記はウォールストリートジャーナルの記事です。
参照「ナイキ、成長止まらない理由は」
スポーツとファッションの融合、スニーカー愛好家からの支持、オンライン販売の好調さなど、ナイキの株価の高さ(市場の評価の高さ)の要因を挙げています。
オンライン販売の浸透は、固定費の圧縮につながりますのでさらに営業利益率が良くなることが見込めます。
【NKE】ナイキ キャッシュ・フロー
2016年以降はきれいな右肩上がりなので良いのではないでしょうか。
営業キャッシュフローマージンは2019年で15%ほどです。
ハイテク企業からすると低いですが、この業種にしては高いと思います。
店舗販売などが絡むと、どうしても売上に比してキャッシュが残りにくいはずなんですが、15%とかすごいです。
【NKE】ナイキ EPS/DPS/ROE
2018年にEPSが下がったのは税制改正の影響です。
それを除けば、基本的に右肩上がりです。
配当も右肩上がりですね。
配当性向に余裕がありますが、余ったキャッシュは自社株買いに使う方針のようなので、配当は大きくは伸びないかもしれません。
2019年度は40億ドル以上を自社株買いに使っています。
【NKE】ナイキ 対象別売上高割合
あまり、対象となる消費者に変化はありませんが、強いて言えば女性に対する割合が増えたでしょうか。
何となく、美容目的で運動している女性が増えている印象だったので、女性の割合がもっと増えているかと思いましたが、それほどでもないですね。
後述しますが、個人的にはここに「シニア」という項目が追加される気がしています。
【NKE】ナイキ 地域別売上高割合
バランスよく散らばっていますね。
ここにナイキの強さが表れていると思います。
これからは、世界経済、人口が拡大し、それを取り込める企業が生き残る世界になると思います。
ナイキは既に世界中に根付いており、今から開拓する必要がありません。
これは結構強みになると思います。
【NKE】ナイキ 所感
【NKE】ナイキ 将来的にも安定すると予測
先述の通り、ナイキは世界中に根付いています。
ナイキのクールで洗練されたブランド力のたまものでしょうか。
世界に企業が進出する上では、その国の文化、宗教、法、地場産業など、進出を阻む要因に晒されるリスクが伴います。
例えば、マックで言えば、インドに進出する上で「牛肉」「豚肉」が宗教上のタブーになりますので、チキンを使ったハンバーガーで対応しています。
また、Uberが日本で普及しないのは、日本の法に阻まれているためのようです。道路運送法上、無許可での運送は出来ないようです。
このように、世界進出をする上での障害も多々ありますが、ナイキは既に世界中に根付き、大きな変革を必要としないと思います。
これは、商品力、ブランド力を保持すれば、世界経済、人口の拡大を自然と取り込めることを意味します。
スポーツは確実に無くならないものですし、毎日のようにスポーツイベントというのはあります。
国単位でも、町単位でも、個人単位でもです。
世界人口の拡大と共に、ナイキの商品を使う人も自然と増え、経済、人口が拡大する限り、売上高は比例して伸び続けると思います。
また、先進国は高齢化に直面し、寿命も延びています。
そのため、医療費の高騰が問題視されています。
そして、医療費の高騰を防ぐ一つの方法として、スポーツが推奨されています。
ここに上手くコミットすれば、ナイキの商品を使って、元気にスポーツを楽しむ高齢者が増えてくると思います。
それがスタンダート化すると思います。
顧客の高齢化に悩まされる企業は増えると思いますが、ナイキは強みに変換できると思います。
さらに、健康や美容に関する意識が高まっていることも、プラス材料です。
美容目的だったり、健康年齢のこともありますので、ジムや公園でスポーツをする方が増えています。
そうした意識の変化もナイキにはプラスに働きます。
人口拡大、高齢化と健康、美容への意識変化、ナイキの将来にとって、強い追い風だと思います。
【NKE】ナイキ 懸念点
懸念点てとしては、全てのシューズ、アパレル製品が米国外で製造されている点でしょうか。
現在の貿易戦争で分かる通り、海外に製造拠点を設けると、予期せぬ貿易リスクに巻き込まれます。
米国貿易戦争の関税引き上げ品目に「靴」も含まれています。
保護貿易が押し進むと製造拠点の問題等も出てきますので、ナイキに付きまとう懸念点だと思います。
ちなみに中国での生産は、シューズが全体の23%、衣料品は全体の27%に及びます。
中国のように、現地で作り現地で売るのであれば、問題はないんですけどね。
また、新たなブランドが立ち上がり、ブームになり得ることには、常に警戒が必要だと思います。
参入障壁自体は低いですしね。
昨今のSNSやネットを使った新時代型のマーケティング戦略を展開してきた場合、一気にのし上がる危険性もあるかもしれません。
ブームというものは、いつ起きて、どの程度拡散するか読めませんので、その辺りは懸念点になると思います。
【NKE】ナイキ まとめ
ナイキは爆発力はないと思いますが、しっかりと成長し続ける企業です。
20年後、30年後の世界を革新する事は無いでしょうが、愛されるブランドではあり続けると思います。
ナイキはスポーツブランドとして、これからもNo.1に君臨し続けると思います。